三英傑(織田信長公・豊臣秀吉公・徳川家康公)ゆかりの地、愛知県は神社・寺院数の合計数が、日本1位です。
有名な神社寺院も多く、熱田神宮や豊川稲荷、鳳来寺や大樹寺など、また日本で最初のチベット伽藍の强巴林(チャンバリン)は名古屋市にあります。
なぜ愛知県にそれほどの神社や寺院が多いのか?
いろいろなデータ数値は、文化庁文化部宗務課が毎年公表している宗教年監にもとづき、令和元年調査結果を集計した令和2年版です。
またその他研究物のデータも活用さていただいております。
日本に神社/寺院数はどれだけあるの?
日本の神社数は80,934社、信者数は88,959,345人
日本の寺院数は76,907寺、信者数は84,835,110人
神社寺院の信者数は、日本の総人口126,227,000人よりも上回ります。キリスト教やイスラム教の一神教とは違い、両方の信者になられる方も多いという数字のあらわれなんでしょうか。
話が逸れましたが、愛知県の神社数は、3,355社(第4位) 愛知県の寺院数は、4,558寺(第1位)です。神社数と寺院数のTOP5は下記のとおりです。
神社数TOP5
第1位は新潟県4,689社
第2位は兵庫県3,873社
第3位は福岡県3,410社
第4位は愛知県3,355社
第5位は岐阜県3,271社
寺院数TOP5
第1位は愛知県4,558寺
第2位は大阪府3,382寺
第3位は兵庫県3,282寺
第4位は滋賀県3,203寺
第5位は京都府3,065寺
神社寺院の合計数第2位が兵庫県ですので、第1位の愛知県がいかに多いかわかります。
愛知県が日本1位の理由は?
①時代の中心地ではないため、権力争いから離れている。
天皇が権力を持っていた時代は、奈良や京都が政治の中心であり、権力が神社寺院を統制する時代でもありました。
そのため大きな神社が残り、小さな神社などは統合されていったようです。
つまり統合されず小さな神社が多い愛知県、統合され大きな神社が多い奈良県や京都府、2府県ともTOP5に入らない理由はそういった感じでしょうか。
②尾張徳川家による寺院の保護が大きいとされている。
尾張徳川家は寺院保護に力をいれていました、特に推奨して保護したのは浄土宗です。
尾張徳川家の菩提寺である名古屋市の建中寺も浄土宗であったこと、徳川家康公は熱心な浄土宗信者であったことが大きいと言われます。(参考情報:浄土宗の寺院が多い地域第2位は愛知県です。)
また当時の江戸時代には、キリシタンを排除するために檀家制度が始まりました。強制的に寺院に入壇させて管理する制度で、戸籍管理の役割があります。つまり住民全員は、寺院に所属しないと罰せられてしまいます。
寺院保護と檀家制度、愛知県の寺院数が少ない要素はないように思えます。
③昔から人口の多い地域だった。
日本の人口密集地、各時代の中心地は
- 奈良時代は奈良
- 平安時代は京都
- 鎌倉時代は静岡
- 室町時代は京都
- 江戸時代は東京
愛知県は各地域へ行く要所の道にもなります、必然的に人が集まりやすくなりますね。
人口が多かった時期として、戦国時代での尾張清洲城は天下の名城と言われ、当時の日本人口1200~1500万人に対し、清洲城下だけでも6万人と賑わいをみせていたり
明治初期愛知県の人口は、当時の日本人口3500万人に対し121万人、1873年には人口第1位になった時期もあったそうです。
④実は尾張国の尾張氏は、昔から中央政権との繋がりが強かった。
この内容に関しては、下記関連記事を参考にしてみてください。
まとめ
日本地図上の愛知県の場所は、東には東京があり、西には京都・大阪と政治経済の中心地に挟まています。
移動手段が徒歩や馬といった時代には、休憩場所や宿泊場所が必要になり、必然として人が集まり産業が生まれます。
権力競争からも離れ、人口も多くなれば、神社寺院が少なくないのは当然かもしれませんね。
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